私が西洋占星学を用いてセッションをさせていただいている中で
*【ホロスコープリーディング鑑定ver.1】(自己理解編)をご用意しております。
もしくは自分の研究のために色々なチャートを読んでいく中で、かなり感じることが多いこととして、「母親との関係性」に問題を抱えるパターンについて、というのがあります。
誰しも多かれ少なかれ母親のみならず「親」というものに対して、人生を歩む中で何かしらの問題を抱えることは世間的にも多いと思いますが、占星学のホロスコープチャートでは特に「その人の心において重大な問題」や「心を蝕むような問題」になりやすいパターンというのがあります。
実は私自身、10代は本当に母親のことで心を消耗し続けたという経験があります。結果的にその後戸籍上でも実際の生活でも離別しておりますので、母との関係性は現在ありませんが「これがベストな形である」、ということが私の最終的結論であり、今はお互いに関わりはなくとも幸せに暮らしていれば良い、ということ以外にはないのです。
私が占星学的に「母親との関係性に見る難題な経験 ・もしくは心理的負担」等について考え出したり、その部分のパターンを分析したりすることに対する意味を感じるのは、自分もそういった経験は「自分のホロスコープチャート」にヒントが表れていて、ある種自分の心の処理方法を見出せたことも理由としてあります。
さて、前置きが長くなりましたが、占星学的に母親との問題を抱えやすいパターンとしては
・月が天王星、もしくは冥王星と0度、180度、90度、150度のいずれかをとる。
というのがあります。
このパターンが母親との問題を実際に抱えていたり、過去に重大な何かがあった人たちに今まで見ているチャートで明確に多いのです。
中には天王星とも冥王星ともどちらにも月がこのような角度をとるパターンも今まで見ています。
私の場合は天王星と月が180度です。この場合は「離反」という形になりやすいですが、今まで見ている中では反対に「二人の距離が近すぎる」というパターンも同じアスペクトでありました。
ただ、その場合でもいずれ逆パターンになる可能性は秘めています。
距離感が近すぎるパターンの場合は、大抵親の方が問題に気づいていないことが多く、子供と普通以上に仲良しだったり、過干渉であることにあまり疑問をもっていません。
しかし、近すぎる距離感はある日突然反発する可能性があることは、恋人や友人関係でもよく見られることだと思います。
オポジション、天王星のどちらも「離反的要素」を含むエネルギーですのでこのパターンは非常にわかりやすいでしょう。
月と天王星がハードアスペクトで関わる場合は、何かしらの
・価値観の相違
・母親の行動によって悩まされる(一般的な「良き母」像とは異なる母親像)
などが引き金になることが多いように思いますが、子供の方も恐らくは幼い頃より
・何か合わない
・理想的な母ではない
・自分の価値観からは理解できない
ということを漠然と感じていることも多いと思います。
上記は「母との関係」という視点で書いていますが、月は「子供」を表すこともあるので、母との関係性ではあまり思い当たることがない場合でも、子供との関係性について似たようなことを感じる場合もあるかもしれません。
*特に何も問題がない場合はあまり気にしないでください。あくまでも、何か親子関係で問題を抱える方の中で苦しんでいる方へのヒントとして書いていますので。
天王星の場合は比較的にわかりやすい形で実感することが多い気がします。
本人も「母親とは合わない」「一緒に居たくない」「本当の愛情を感じにくい」
「価値観がまるで逆」「価値観が異なる」「母親の言動が理解し難い」
などなどを自覚して受け入れているパターンが多く、その経験は非常に難しい経験ではあれど、その事実を受け容れることは冥王星との絡みよりも単純化しているように思います。
一方、冥王星の場合はそこに複雑性が伴うことが多い気がしています。
母親との強烈な関係性に問題点を抱えながらも、
表面的には仲良くしていたり、
言いなりだったり、
逆らえないような雰囲気が確立されてしまっていたり、
表面的に見えている関係性の奥に「憎しみ」「嫌悪感」「逃れたい衝動」などが隠れているパターンが過去にいくつかありました。
天王星の場合はある意味「見たまま」な感じなのですが、冥王星の場合は「見たまま」と「心の奥の奥」が異なることがある、と言えばわかりやすいかもしれません。
そのため、月と冥王星がハードアスペクトの場合に子供の方が母親からのなんらかの「圧」や「依存」を感じていることで苦しんでいても、母親の方は「とてもいい子」「聞き分けが良い子」「私と子供は一心同体」「私ができなかったことを子供に託す」「私の言うことを聞いていればいい」というようなパターンが出てくる場合があります。
もしくは心理的にどうこうとかではなく、何かしらの「事柄」によって急に運命が変わってしまったように思えることもあるかもしれません。
そして、何か母親との現実や運命に絡め取られているよう気がして「離反」することもままならない・・・という悩みを抱えやすいのは、月・冥王星ハードを持つ方達でこういった問題を実感している方が心の奥でひっそりと抱える問題になっている場合が過去にいくつかありました。
(この点が「天王星・月ハード」の場合と一番異なる所だと個人的には見解しております)
「離反」と言うことに対して「親子が離反するなど絶対ダメ」ととらえる人もいると思いますが、この世界では「共にいる」ことだけがベストだと決まっているわけではありません。
虐待をする親、子供に依存する親、子供より自分が可愛い親、子供の気持ちよりも自分の幸せを優先する親、自分が満たされない思いを子供に当てる親・・・
色々な親子の形がこの世界にはあります。
一見「あなたのためを思って!」ということを強調するけれども、自分のエゴに気づかずに支配や依存を無意識にしている場合もあります。
一緒にいることで疲弊していく場合は、離反することで楽になることもありますし、お互いに冷静に過去を振り返り客観視して新たな気持ちで自分の人生を切り開く、自分の価値観を見直す・・・などのことは離反するからこそしやすいかもしれません。
血縁があるからと言う理由で「離反」に罪悪感を持ち、離れることができずに心を消耗したり自分の価値観(自己価値観)がわからなくなるより、その人が「生きる力」として得るものは大きい場合が多々あります。
月と天王星の方が「離れる」ということに関してしやすいことは確かです。天王星はもともとのエネルギー的に「離れる」「分離」という要素があるからですね。
しかし、冥王星の場合は「支配力」「強制力」というエネルギーが特徴のため、「離れたい」と思ってもなかなかできない場合があります。
現実的に何か問題がある場合もあれば、心理的に依存と屈服感が潜んでいる場合もあります。
先日、三浦春馬さんのチャートについて少しだけ記事にしましたが、三浦春馬さんも恐らくこういった問題を心に抱えながら人生を歩んできた一人だと私は感じました。(あくまでもチャートや一部報道であることを参考にして感じること)
また、当方のホロスコープリーディング鑑定でも「母親」との関係性や抱える問題についてご相談が出てくる場合があります。
こういったことに関して、私自身も自分が経験してきたことなのでそういう悩みやご相談を伺うご縁があるのかもしれませんが、この問題は必ず自分の意思で乗り越えることができると思っています。
そしてそういうご相談が出る場合には、そのためのヒントもお伝えしています。
母親との問題や確執というのは、ある意味非常に大きく自己価値観に深く影響を長い時間与えるものでもあり、脱するきっかけを自分で作らないと一生抱えることも普通にできてしまうものです。
「あなたは天王星だったからできたかもしれないけど、冥王星の私はできない・・・」と思いますか?
私はそんなことはないと思っています。
しかし、それには「自分が感じていること」に正直になる必要があります。
・世間にそんなことを言ったら理解されないだろう
・親のことを悪く言っては(思っては)いけない
・親とは逃れられない運命がある
・自分は親に依存するしかない
・親の言うことは絶対に正しい(だから逆らえない)
・親に傷つけられたのでこれはもう癒すことができない
こういった思い込みから一歩引いて自分が本当はどうしたいのかに気づくには、まずは自分が感じていること、抱えている感情、癒されない何か、逃れられない気がする何かをきちんと正面から見ることが不可欠です。
そして親のことになると、こういったことに向き合うこと自体にも罪悪感を持つ場合も人によってはあるのですが、親と自分の人生や価値観が同じでなければならない、という思い込みをまずはじっくり客観視する必要があります。
(子供の場合も同じように思います)
母親との関係性というのは生まれてからしばらくの間、本来は一番強い結びつきであることが一般的で、動物でも人間でも「母親からの本当の愛情」は必要だと思います。
だからこそ、何かその関係性の中で違う側面にぶち当たるような出来事や、表面的なものと本質との間に矛盾が見えてしまうデリケートな問題が起きてきた時に、人は心理的な葛藤や問題を抱えやすくなります。
でも、それと「あなた自身の自己価値」は一致していません。
誰しも自分の生き方、物事に対する価値観、自分自身への価値は大人になるに従い「自分のもの」を確立していく必要があります。
親の生き方と自分の生き方を同一視して支配されることは、自分が望む本当の自分の人生でしょうか?
月は占星学では「過去に身につけた自分のレンズ」であり、私が勝手に尊敬している占星術の先生は
「一見、自分の本質だと思い込むエネルギーでありながら、偽りの自分であり、そこにその人の本質性を伴わないもの(月の年齢域までに習得したものの、そこから成長しないもの)」として位置付けています。
そして月は「母親」を示す天体でもあります。
私たちは「月」である母親を通してこの世界に登場させてもらいました。
そのことには感謝を持ちつつも、いつまでも「月」に支配される生き方では自分本来の「太陽」を獲得できません。
「月の重力から逃れる重要性」に気づかないと、自分の太陽を活かしていくことができないということです。
月は自らの太陽のエネルギーに気づき、そこを目指し、会得していくための「過程」なのだと私は思っています。
「過程」を「本質」だと思ってしまえば、自分がこの世界を見る色眼鏡からしか世界を見ることをしなくなるでしょう。「過程」にこだわり、執着し、「本当の自分」と思い込むということは、見るべきものから逃れる巧妙なマジックであり、幻想とも言えます。
いずれにせよ、実際の人生でそのような問題(母親との問題)を経験することは、そういったことに対する心の傷に向き合わざるを得ないですし、心の問題が消化されるまでは苦しむことも多々あると思います。
しかし、そういったことから自分の人生を獲得する練習や学びが今回の自分の人生では課題になっているのかもしれませんし、逆に自分の「月」から「太陽」へしっかりと移行する大事な出来事なのかもしれません。
ご自身のチャートを理解することで、悩みや抱えている心の傷に対する認識に変化が出てくることが多いですし、何より大きいのはそれにより自分の人生にその要素を本当に「受け入れることができる」と、
そこからどのように本当の自分を獲得していくか(「太陽」を獲得して表現していくか)により意識が向きやすくなる側面もあります。
母親との問題や関係性は、100人いたら100通りだとは思いますが、その中で抱えた問題や確執から「失くなるもの」ばかりではないことに気づくこと。
今回この記事であげたパターン以外でも、母親との問題を抱えるパターンはあるのですが、特に強く決定的に問題を感じているパターンに多いものを書きました。
天王星や冥王星などのトランスサタニアンが与える影響はやはり自分のコントロールでなんとか最初からマネジメントできるようなものではないことがほとんどです。
そういう意味では、土星などよりもその当時はキツイ経験になるパターンもありますし、振り回されているように感じる時期もあるかもしれません。
でも、乗り越えられないものではないのです。
そしてその時のヒントになる要素もホロスコープには表れていますし、自分の人生の舵取りをするのは「自分以外の何者でもない」のです。
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